【ドル円】来週の相場予想・テクニカル分析【2020年3月30~4月3日週】

今週(2020/3/23~27)も新型コロナウイルス感染拡大を背景にしたリスク回避の動きや、ドル不足など様々な要因でチャートが動きました。

 

来週(2020/3/30~4/3)の値動きを今週のチャート分析と来週の経済指標をもとに予想していきます。

 

ちなみに筆者はMT4でチャート分析を実施し、スプレッドがFX業界最狭水準であるDMM.comでトレードを行っています。

 

本記事では

今週のドル円チャート分析

来週のドル円注目指標まとめ

来週のドル円相場予想

をそれぞれ解説していきます。

 

先週のドル円予想振り返り

先週の段階では以下のような予想をしていました。

  • コロナウイルスの感染拡大を背景にした資源国通貨の下落で、基軸通貨であるドルの需要は根強い。
  • 感染は欧州を中心に急速な拡大を見せており、ユーロやポンドなどが下落していることもドルを底堅くさせる一因となる。
  • 米国はFRBによる緊急利下げや企業への借入支援、トランプ大統領による1兆ドルの経済政策を打ち出しているものの、特に株式市場での先行きの不透明感は消えず、リスク資産の消化が継続される可能性があり、米国株式が下落すればドルも売られる展開が予想される。

以上より、ドルは売りも買いも予想され、ベースとしてはリスク回避の円買いも継続されるため、上下どちらにも大幅な値動きが予想される。また、年度末で企業の決算が多いことを踏まえると、輸出企業ではドル資金の円転、輸入企業ではドル買いが実施される可能性がありますが、ここ3年ほどは円買いに触れることの方が多いようです。109.5まで下落してからの押し目買い or 111.5のロールリバーサルで押し目買いなどのエントリーを検討します。基本的には買い目線ですが、112.1まで引き付けて短期売りも検討の余地ありと考えます。

筆者はシナリオをいくつか用意して1週間のチャートに挑みますが、シナリオ通りに進むことはほとんどなく、適宜修正することになります。

 

ただ、1週間を通して目線だけは変えず、仮に週途中でトレンドが反転した場合はシナリオの根底がなくなるので、エントリーはすべて見送りになります。

 

トレンド反転後に1からシナリオを検討するのであれば、週の途中で目線を変更することは可能ですが、筆者は週途中で検討しなおすのは面倒なのでしていません。

 

23日週は111.5をブレイクしてからの押し目を狙うのがシナリオの一つでしたが、111.5付近が重く、週末にかけて嫌気がさし下落しました。

今週も予想をしているのでよければ最後まで見ていってください。

 

3月23~27日週のドル円チャート分析

ドル円の1時間足チャートで水平線と100MAを用いて分析していきます。
黄色の縦線から右が3月23~27日週のチャートになります。

 

ドル円のファンダメンタルズ分析

先週:コロナウイルスの世界各国での感染拡大報道を受け、リスクオフの展開が続いていたが、各国の財政政策、特に米国の景気刺激策を好感した米国株式の上昇により、リスクオンのドル買いが選好された形。

A:日銀のドル資金供給オペ実施を受け、ここ数日の流動性を意識したドル需要が弱まる思惑が広がり、ドルが売られた。

B:FRBが15日に再開を決定したQEについて、「終了期間を設けず、必要なだけ購入する」と発表したことを受け、ドルが売られた。

C:アジア株が全面的に上昇したことを受け、リスク回避のドル買いが売り戻された形。

D:2兆円規模のコロナウイルス景気対策法案が合意間近であるとの報道で、流動性を意識したドル買いの動きが後退した形。

E:米経済対策費2兆ドルで合意に達したことを好感し、アジア株が全面高となり、リスク回避の円買いは売り戻された。

F:年度末へ向けた国内企業の円買いなどで下落。

G:米国経済指標の低迷に加え、米国での急激な感染拡大を受け、リスク回避のドル売り円買い。

 

ドル円のテクニカル分析

1は高値の水平線なので今後反発(や上昇トレンド継続によるロールリバーサル)などに期待。

3は比較的意識されている印象。

4は日足で引いた抵抗線であるため意識される可能性が高い。実際に4付近で反発もしている。4での限定的な反発をカップアンドハンドルと捉えることもできる。

青線は上昇フラッグを形成していた抵抗線だが、上値が重く下落し、ブレイク失敗。今回は失敗したが、フラッグなどチャートの決まった形は覚えておいて損はない。

 

今週(3月23~27日週)のドル円総評

コロナウイルスの世界各国での感染拡大報道を受け、リスクオフの展開が続き、流動性を意識したドル買いが選好されていたが、アジア株の全面高を受け、その動きは後退。加えて、米国での急激な感染拡大、経済指標の低迷を受け、週後半にかけてドルが売られた形。

 

3月30~4月3日週のドル円予想

来週のドル円に影響するであろう注目指標と、これまでの分析を元にした予想をしていきます。

 

来週(3月30~4月3日週)のドル円注目イベント

4/1(水):米・3月ISM製造業景況指数

市場予想は前月値(50.1)を大幅に下回る45.5で、コロナウイルスの感染拡大が及ぼす影響が指標に表れているが、指標の下振れを市場は織り込み済みであると考えられ、予想通りの値であってもドルが売られる展開にはなりにくいと考えられる。

 

4/3(金):米・3月雇用統計

非農業部門雇用者数は前月比-10.0万人(2月実績+27.3万人)、失業率は3.8%(2月実績3.5%)、平均時給は前年比+3.0%(前年2月実績+3.0%)となっている。2月はまだ米国でコロナウイルスが猛威を振るってはいなかったが、3月は感染者数拡大や非常事態宣言など市場をはじめ、労働者へも多大なる影響を及ぼしたことを鑑みれば、指標の値はさらに下がることも十分に考えられる。市場予想より大幅に下落した場合にはドルが売られる一因となりうる。

 

来週(3月30~4月3日週)のドル円予想

  • コロナウイルスの感染拡大を背景にした資源国やアジア通貨の下落で、ドルの買戻しが起き、ドル不足が世界全体で見られたが、ドル不足はおおよそ解消されているため、ドル不足を理由としたドル買いの継続は抑制されると考えられる。
  • 米国内でのコロナウイルスの感染拡大が急激に進み、好調だった米国経済はリセッションに陥ることがほぼ確定しているが、コロナ対策として2兆ドルの経済支援の合意を好感した市場はドル売りが後退している。
  • 現状、安全通貨として円が成り立っているかは疑問で、成り立っていれば、国内での感染拡大に対してもリスク回避的な円買いが支配的になる可能性はある。

以上より、ドル不足によるドル買いは後退し、米国及び国内経済の低迷は方向感のないチャートを形成する可能性が高く107~110円でのレンジを予想する。目線としては上目線で、107.9、108.5あたりでの押し目買いを検討し、110を超えるようであれば109.5での押し目買い、先週の上値である111.5をブレイクした場合も押し目を狙っていきたい。