【ドル円】来週の相場予想・テクニカル分析【2020年4月6~10日週】

今週(2020/3/30~4/3)も新型コロナウイルス感染拡大を背景にしたリスク回避の動きや、ドル不足など様々な要因でチャートが動きました。

 

来週(2020/4/6~10)の値動きを今週のチャート分析と来週の経済指標をもとに予想していきます。

 

ちなみに筆者はMT4でチャート分析を実施し、スプレッドがFX業界最狭水準であるDMM.comでトレードを行っています。

 

本記事では

今週のドル円チャート分析

来週のドル円注目指標まとめ

来週のドル円相場予想

をそれぞれ解説していきます。

 

先週のドル円予想振り返り

先週の段階では以下のような予想をしていました。

  • コロナウイルスの感染拡大を背景にした資源国やアジア通貨の下落で、ドルの買戻しが起き、ドル不足が世界全体で見られたが、ドル不足はおおよそ解消されているため、ドル不足を理由としたドル買いの継続は抑制されると考えられる。
  • 米国内でのコロナウイルスの感染拡大が急激に進み、好調だった米国経済はリセッションに陥ることがほぼ確定しているが、コロナ対策として2兆ドルの経済支援の合意を好感した市場はドル売りが後退している。
  • 現状、安全通貨として円が成り立っているかは疑問で、成り立っていれば、国内での感染拡大に対してもリスク回避的な円買いが支配的になる可能性はある。

以上より、ドル不足によるドル買いは後退し、米国及び国内経済の低迷は方向感のないチャートを形成する可能性が高く107~110円でのレンジを予想する。目線としては上目線で、107.9、108.5あたりでの押し目買いを検討し、110を超えるようであれば109.5での押し目買い、先週の上値である111.5をブレイクした場合も押し目を狙っていきたい。

レンジ予想は概ねあたりで、107.9の押し目買いも方針通りでした。

 

筆者はシナリオをいくつか用意して1週間のチャートに挑みますが、シナリオ通りに進むことはほとんどなく、適宜修正することになります。

 

ただ、1週間を通して目線だけは変えず、仮に週途中でトレンドが反転した場合はシナリオの根底がなくなるので、エントリーはすべて見送りになります。

 

トレンド反転後に1からシナリオを検討するのであれば、週の途中で目線を変更することは可能ですが、筆者は週途中で検討しなおすのは面倒なのでしていません。

今週も予想をしているのでよければ最後まで見ていってください。

 

3月30~4月3日週のドル円チャート分析

ドル円の1時間足チャートで水平線と100MAを用いて分析していきます。
黄色の縦線から右が3月30~4月3日週のチャートになります。

 

ドル円のファンダメンタルズ分析

先週:コロナウイルスの世界各国での感染拡大報道を受け、リスクオフの展開が続き、流動性を意識したドル買いが選好されていたが、アジア株の全面高を受け、その動きは後退。加えて、米国での急激な感染拡大、経済指標の低迷を受け、週後半にかけてドルが売られた形。

A:3月31日で、企業による年度末のドル買いにより上昇。

B:FRBが海外中銀へドル供給を拡大するとの発表を受けて、過度のドル不足が解消され、ドルが売られた。

C:ロシアとサウジアラビアが原油減産の意向を示したことを受け、原油価格急騰。リスク選好のドル買い。

 

ドル円のテクニカル分析

1は高値の水平線なので今後反発(や上昇トレンド継続によるロールリバーサル)などに期待。

2は日足で引いた抵抗線であるため意識される可能性が高い。

3は今週の下限。

100MAはほぼ横ばいだが、チャートのすぐ下に位置しており、下落すれば100MAが支える可能性がある。

 

今週(3月30~4月3日週)のドル円総評

世界各国でのコロナウイルス感染拡大の中、ドル円は年度末による両通貨の買い需要などで、下落は限定的だった。全体を通してリスクオフの展開が続いたが、4/2に原油価格が急騰したことで、リスクオンの流れでドルが買われた形。一方、新規失業保険申請件数は過去最多でリスク回避の動きも見られ、上下に動きづらくレンジ相場となった。

 

4月6~10日週のドル円予想

来週のドル円に影響するであろう注目指標と、これまでの分析を元にした予想をしていきます。

 

来週(4月6~10日週)のドル円注目イベント

4/8(水):FOMC議事要旨

米FRBはすでに実質ゼロ金利政策を実施しているが、さらなる金融緩和などの内容が記載されていれば、リスク選好的なドル買いが起きる可能性がある。

 

4/10(金):米・3月消費者物価指数(CPI)

市場予想は+1.6%と、前年同月値(+2.3%)、2月実績(+2.3%)を下回る見通しだが、コロナウイルスによる影響がどの程度現れるのかには要注意。ただ、ある程度の数値悪化を市場は織り込み済みである可能性が高く、下落したとしても限定的と予想される。

 

来週(4月6~10日週)のドル円予想

  • コロナウイルスの感染拡大を背景にした資源国やアジア通貨の下落で、ドルの買戻しが起き、ドル不足が世界全体で見られたが、FRBの諸外国へのドル供給が発表されたことを受け、ドル不足はほとんど解消されており、ドル不足を理由としたドル買いの継続は抑制されると考えられる。

 

  • 米国内でのコロナウイルスの感染拡大は急激に進み、ピークを迎えつつあるものの、来週あたりに死者数が大幅に増加する可能性が高いとみられ、ドル円においては、ここまで買われていたドルが売り戻される可能性がある。

 

  • トランプ大統領はコロナ対策として2兆ドルの経済支援の合意を好感している市場は現状ではドル売りが後退しているが、継続性には乏しい。

 

  • 現状、安全通貨として円が成り立っているかは疑問で、成り立っていれば、国内での感染拡大に対してもリスク回避的な円買いが支配的になる可能性はある。

 

以上より、ドル不足によるドル買いは後退し、米国及び国内経済の低迷は方向感のないチャートを形成する可能性が高く先週同様107~110円でのレンジを予想する。しかし、108.5を超えられないようであれば、107.0を割り込み下値を探る可能性が高いことには注意したい。目線としては上目線で、108.5あたりでの押し目買いを検討し、110を超えるようであれば109.5での押し目買い、先々週の上値である111.5をブレイクした場合も押し目を狙っていきたい。