今週(2020/3/16~20)も新型コロナウイルス感染拡大を背景にしたリスク回避の動きや、各国の財政政策、また年度末による資金調達など様々な要因でチャートが動きました。
来週(2020/3/23~27)の値動きを今週のチャート分析と来週の経済指標をもとに予想していきます。
本記事では
今週のドル円チャート分析
来週のドル円注目指標まとめ
来週のドル円相場予想
をそれぞれ解説していきます。
先週のドル円予想振り返り
先週の段階では以下のような予想をしていました。
- コロナウイルスの感染は世界各国で拡大しており、WHOが11日「パンデミック」を認めたことで市場心理が悪化しており、リスク回避のドル売りが先行すると予想される。
- 米国内でも感染が確認されており、FRBによる3月利下げ幅が0予想を超えればドルが売られる可能性がある。
- 各国での感染拡大防止策、景気刺激策、金融緩和策が次々に発表されているが、肝心の感染がどこまで続くかは先行きが見えない。
以上より、ドル売りが選好される背景があるため、上値よりも下値を試す動きが予想される。基本的には売りでのエントリーを検討したい。
売り目線だったので、エントリーできませんでした。
このところ、上下の目線がなかなか定まらない相場で、筆者としては非常にやりづらいところですが、動きの余地がある方に目線を固定しないと逆張りのような状態になります。
筆者は逆張りにあまりいい思い出がなく、できれば避けたいと考えているため、基本的に1週間を通して目線は固定です。
16日週のように目線と逆に行くとエントリーができなくなりますが、下手に負けるよりは堅実だという認識です。
今週も予想をしているのでよければ最後まで見ていってください。
3月16~20日週のドル円チャート分析
ドル円の1時間足チャートで水平線と100MAを用いて分析していきます。
黄色の縦線から右が3月16~20日週のチャートになります。
ドル円のファンダメンタルズ分析
先週:米国でのコロナウイルス感染拡大を受け、米国株式とともにドル円も下落。米政策金利の緊急利下げも合わさり、ドルがさらに売られた形。
A:日銀追加緩和も、ゼロ金利見送りで日本株式失望売り→円買い。日本株を買う海外投資家の割合は多くリスクヘッジで日本国株式を買う時に円を売っている。
B:トランプ大統領が景気刺激策(総額1超億ドル規模)を検討の報道を受け、市場の緊張感はやや後退し、ドルが買われた。
C:原油が2003年以来の下値を付けたことで資源国通貨(豪ドルなど)が急落し、ドルストレートでは全体的にドルが上昇したことでドル円ではドル高に。
D:米国の大規模経済支援策を好感した米国株式の上昇につられ、リスク選好のドル買い。
E:中国が金融緩和見送りを受けてリスクオンムードは一服し上値が抑えられる。
F:ドル資金調達のドル買い+経済支援策を期待したドル買い優勢。
ドル円のテクニカル分析
3は日足チャートで引いた抵抗線であるため意識されやすい。上目線であればDはエントリーの検討余地が大いにあった。実際にロールリバーサルできれいに上昇。
2で反発しているFについてもロールリバーサルを狙った買いの検討余地があったが、Dでのエントリーに比べれば優位性は低い。
100MAは急上昇に追随する形で上昇しているが、100MAまでは落ちてこない展開だったため、判断材料にはなりにくかった。
今週(3月16~20日週)のドル円総評
コロナウイルスの世界各国での感染拡大報道を受け、リスクオフの展開が続いていたが、各国の財政政策、特に米国の景気刺激策を好感した米国株式の上昇により、リスクオンのドル買いが選好された形。
3月23~27日週のドル円予想
来週のドル円に影響するであろう注目指標と、これまでの分析を元にした予想をしていきます。
来週(3月23~27日週)のドル円注目イベント
3/24(火):米・3月製造業購買担当者景気指数
コロナウイルスの感染拡大の影響がすでに表れ始め、2月実績を下回ることは確実と見られる。大きく下回った場合にはドルが売られる一因となる。
3/26(木):米・10-12月期国内総生産(GDP)確報値
市場予想は前期比年率+2.1%と予想されているが、仮に予想を下回った場合にはドル売り優勢となる可能性あり。
3/27(金):米・2月個人消費支出(PCEコア価格指数)
市場予想は前年比+1.7%と1月実績(+1.6%)を若干上回るが、ドル買いの要因になるほどの水準ではない。
来週(3月23~27日週)のドル円予想
- コロナウイルスの感染拡大を背景にした資源国通貨の下落で、基軸通貨であるドルの需要は根強い。
- 感染は欧州を中心に急速な拡大を見せており、ユーロやポンドなどが下落していることもドルを底堅くさせる一因となる。
- 米国はFRBによる緊急利下げや企業への借入支援、トランプ大統領による1兆ドルの経済政策を打ち出しているものの、特に株式市場での先行きの不透明感は消えず、リスク資産の消化が継続される可能性があり、米国株式が下落すればドルも売られる展開が予想される。
以上より、ドルは売りも買いも予想され、ベースとしてはリスク回避の円買いも継続されるため、上下どちらにも大幅な値動きが予想される。また、年度末で企業の決算が多いことを踏まえると、輸出企業ではドル資金の円転、輸入企業ではドル買いが実施される可能性がありますが、ここ3年ほどは円買いに触れることの方が多いようです。109.5まで下落してからの押し目買い or 111.5のロールリバーサルで押し目買いなどのエントリーを検討します。基本的には買い目線ですが、112.1まで引き付けて短期売りも検討の余地ありと考えます。
チャート分析を継続する理由
筆者は基本的に投資には時間をかけたくないと考えていますが、今回は時間のかかるチャート分析を継続する理由を記したいと思います。
相場の予想をする必要のないトラリピという自動売買システムがありますが、筆者はトラリピで月2万円の利益を得ています。
自動売買や投資信託のつみたて投資のようなある程度ほったらかしでも運用できる手法を選択しているにも関わらず、為替のテクニカル分析を毎週欠かさず実施する必要はあるのでしょうか。
筆者が必要と考える理由は、緊急時には自身のみで迅速な対応が求めらるからです。
今回のコロナショックを例にとってみても、ロスカットをされている人が多く見受けられました。
その理由は想定外の急激な値動きに対応できなかったからにほかなりません。
想定内であればほったらかすことができても、想定外の出来事は投資の世界では当たり前に起こります。
普段だれかの意見を参考に売買判断をしている人は、想定外の出来事でロスカットされる可能性が高いと考えます。
その想定外の出来事が起きた時に、自身で判断できるように筆者はチャート分析を継続してきました。
実際、筆者のトラリピはかなり攻めた設定をしていたため、ほったらかしていればロスカットされていた可能性がありましたが、段階的に稼働通貨ペアを制限することで、現状は維持率に余裕を持たせることに成功しています。
その判断はチャート分析を継続したことで培われた相場観より下されたものだと考えており、今回のコロナショックを受け、今後もチャート分析を継続しようと改めて思うことができました。
例外として、資金力があれば、ほったらかしを継続できる場合があるとは思いますが、それでもトラリピを例にとってみれば、レンジから外れればレンジ幅の修正が必要になりますし、取り残されたポジションをどう処理するかも判断する時が来ると考えています。
おすすめのFX会社
筆者はMT4にてチャート分析をし、取引はDMM.comで行っています。
FX口座数『国内第一位』
DMM.comは国内でのFX口座数が第一位(2019年1月末時点)です。
他にもスプレッドがFX業界最狭水準であったり、取引ツールが充実していたりと、多くの人に選ばれるだけの理由があります。
また、DMM.comで講座を開設して1回取引すれば20000円がキャッシュバックされるので、その2万円でトレードの練習をするのもありだと考えています。
デモトレードだとどうしても緊張感がないので、キャッシュバックされた資金というのは初心者の練習にはもってこいだと思います。