【ドル円】来週の相場予想・テクニカル分析【2020年4月13~17日週】

今週(2020/4/6~10)も新型コロナウイルス感染拡大を背景にしたリスク回避の動きや、ドル不足など様々な要因でチャートが動きました。

 

来週(2020/4/13~17)の値動きを今週のチャート分析と来週の経済指標をもとに予想していきます。

 

ちなみに筆者はMT4でチャート分析を実施し、スプレッドがFX業界最狭水準であるDMM.comでトレードを行っています。

 

本記事では

今週のドル円チャート分析

来週のドル円注目指標まとめ

来週のドル円相場予想

をそれぞれ解説していきます。

 

先週のドル円予想振り返り

先週の段階では以下のような予想をしていました。

  • コロナウイルスの感染拡大を背景にした資源国やアジア通貨の下落で、ドルの買戻しが起き、ドル不足が世界全体で見られたが、FRBの諸外国へのドル供給が発表されたことを受け、ドル不足はほとんど解消されており、ドル不足を理由としたドル買いの継続は抑制されると考えられる。
  • 米国内でのコロナウイルスの感染拡大は急激に進み、ピークを迎えつつあるものの、来週あたりに死者数が大幅に増加する可能性が高いとみられ、ドル円においては、ここまで買われていたドルが売り戻される可能性がある。
  • トランプ大統領はコロナ対策として2兆ドルの経済支援の合意を好感している市場は現状ではドル売りが後退しているが、継続性には乏しい。
  • 現状、安全通貨として円が成り立っているかは疑問で、成り立っていれば、国内での感染拡大に対してもリスク回避的な円買いが支配的になる可能性はある。

以上より、ドル不足によるドル買いは後退し、米国及び国内経済の低迷は方向感のないチャートを形成する可能性が高く先週同様107~110円でのレンジを予想する。しかし、108.5を超えられないようであれば、107.0を割り込み下値を探る可能性が高いことには注意したい。目線としては上目線で、108.5あたりでの押し目買いを検討し、110を超えるようであれば109.5での押し目買い、先々週の上値である111.5をブレイクした場合も押し目を狙っていきたい。

概ね予想通りのレンジ相場で、意識していた108.5~.6はゾーンとして意識された印象、方針も108.5での押し目買いだったので狙い通り。

 

一方、週後半にかけての下落はあまり想定しておらず、100MAを下抜けたのは意外だった。

 

後にも示すが、コロナウイルス感染拡大の影響が着実に指標に表れていることが原因の一つであるため、今後も指標の低迷が予想されるので指標による短期的な値動きは想定しておいた方がよい。

 

筆者はシナリオをいくつか用意して1週間のチャートに挑みますが、シナリオ通りに進むことはほとんどなく、適宜修正することになります。

 

ただ、1週間を通して目線だけは変えず、仮に週途中でトレンドが反転した場合はシナリオの根底がなくなるので、エントリーはすべて見送りになります。

 

トレンド反転後に1からシナリオを検討するのであれば、週の途中で目線を変更することは可能ですが、筆者は週途中で検討しなおすのは面倒なのでしていません。

今週も予想をしているのでよければ最後まで見ていってください。

 

4月6~10日週のドル円チャート分析

ドル円の1時間足チャートで水平線と100MAを用いて分析していきます。

 

黄色の縦線から右が4月6~10日週のチャートになります。

 

ドル円のファンダメンタルズ分析

先週:世界各国でのコロナウイルス感染拡大の中、ドル円は年度末による両通貨の買い需要などで、下落は限定的だった。全体を通してリスクオフの展開が続いたが、4/2に原油価格が急騰したことで、リスクオンの流れでドルが買われた形。一方、新規失業保険申請件数は過去最多でリスク回避の動きも見られ、上下に動きづらくレンジ相場となった。

A:新型コロナウイルスによる米国の死者数が減少傾向であることを受けたリスクオンのドル買い+日本緊急事態宣言発令予定の円売り。

B:緊急事態宣言発出で一時円売り。

C:原油高と米国株式上昇でリスク選好のドル買い。

D:米新規失業保険申請数が2週連続で記録的な水準を記録したことを受けたドル売り。

 

ドル円のテクニカル分析

1は高値の水平線なので今後反発(や上昇トレンド継続によるロールリバーサル)などに期待。

2は注目していた108.5のラインで、かなり意識されていることが伺える。このラインを基準に仕掛けていきたい。

3は日足で引いた抵抗線であるため意識される可能性が高い。

4は先週の下限。

100MAは週途中まで意識されていたものの、急落で下抜けた形、このまま下落するのであれば、戻り売りの基準にしたい。

 

今週(4月6~10日週)のドル円総評

ドル不足によるドル買いは後退したものの、今度はコロナウイルスによる米国経済の低迷が余儀なくされており、ドル売りの要因となった一方、国内においても経済は確実に低迷しており、明確な方向感がなかった結果レンジ相場となった。

 

4月13~17日週のドル円予想

来週のドル円に影響するであろう注目指標をまとめ、これまでの分析を元にした予想をしていきます。

 

来週(4月13~17日週)のドル円注目イベント

4/15(水):米・3月小売売上高

市場予想は前月比-7.0%と2月実績(-0.5%)を大幅に下回っているが、さらなる悪化の可能性もある。一方コロナウイルスによる指標の低迷はある程度織り込み済みで、概ね予想通りであれば、チャートには大きく寄与しないと考えられる。

 

4/16(木):米・4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

市場予想は-30.0と、3月実績(-17.3)をさらに下回る予想で、仮に予想を上回ったとしても、コロナウイルスの終息が見えない現状ではドル買い要因にはなりづらい。
(フィラデルフィア連銀製造業景気指数とは、特定区域の製造業の景況感や経済活動状況を指数化したもので、1ヶ月前との比較と6ヶ月後の予想を調査し、ISM製造業景気指数の先行指標としても注目されます。)

 

来週(4月13~17日週)のドル円予想

  • コロナウイルスの感染拡大を背景にした資源国やアジア通貨の下落で、ドルの買戻しが起き、ドル不足が世界全体で見られたが、FRBの諸外国へのドル供給が発表されたことを受け、ドル不足は解消されており、ドル不足を理由としたドル買いの継続は抑制されたと考えられる。

 

  • 米国及び欧州でのコロナウイルスの感染拡大はピークアウトの兆しが見られるが、国内での感染が急激に拡大を受けたドル買い円売りの可能性。

 

  • FRBは様々な金融緩和政策を打ち出たことを受け、米国株式市場は反発し、それを好感した為替市場ではリスク選好のドル買いに傾いている。

 

  • 現状、安全通貨として円が成り立っているかは疑問だが、成り立っていれば、国内での感染拡大に対してもリスク回避的な円買いが支配的になる可能性はある。ただ、国内の感染拡大は円売りに繋がるとの声も多く、断定はできない。

 

以上より、リスク選好のドル買いが支配的になると予想するが、各国のコロナウイルス関連による情勢悪化など有事の際には円買いに振れる可能性には注意したい。基本は上目線で、108.5や109.3で押し目買いの方針。下限は107で下抜けるようであれば、方針立て直し。